君の唄僕はいつもその人に触れているというより、遠くに居て想う時の方が圧倒的に多い生き方をしていて、それはわざとやったことも何回かあるけど、それはそれで後になると必然だったと感じることがほとんどで、こっちの意思に関係なく、または外側の力で距離や時間が出来てしまった時に感じる気持ちと全く変わらないのでそう思うわけで。心のどこかで「想いが伝わる」ことには妙に確信めいた自信があって、なので淋しいとか辛いと感じる気持ちも、他人からみれば鈍感なほどに薄く、その期間が1ヵ月であろうと2年だろうが15年だろうが、待つ身に苦痛はない。途切れるときはきっと自分の意思には関係ないところで突然ブツッと切れるのであって、それに気づいた瞬間すら感じることが出来るのかどうか?道に迷うとき、僕は立ち止まり目を閉じて聴いてみる 君のひとこと2018.04.05 00:08
桜色舞うころ花咲き誇る春先も良いし、その先の散り始めまさに花びら舞うころも美しいけど、僕は花咲く準備の太い幹が好き。決して艶やかな美しい幹ではないし、枝ぶりも咲く花の割にはゴツゴツしてて荒々しささえ感じるほど。「桜色舞うころ」がなにより素晴らしいのは、一度咲き美しく散ってゆく花のことではなく、毎年同じ幹に花を咲かせるその「木」の一年を通じた生き様を実にクールな視点で、淡々と唄いあげていること。繰り返される四季は毎年同じようでいて実は、その人に積み重ねられた年輪や様々な思いをその年の春に咲かせるための四季。そこには歎きや苦しみ、痛さや辛さがしっかりと刻み込まれた幹がしっかり描かれていて、幹の姿にダブるような力強さに満ち溢れていて「生き物」を感じさせる。色褪せない歌とは、その人の人生のある時を想起させ懐かしく瞳を潤ませるのではなく、涙を流し泣きながらまた一歩ずつ歩き始めるときに、そこに変わらず咲いてくれている歌。2018.04.04 23:50
あなただらけ恋に落ちた時の感情をこんなに素直なひとことで言い表すのは流石のぎゃんちゃん。これ以上のタイトルはない、名付けマニアのぎゃんちゃんとしても秀抜な一品。歌詞の内容も「三年目」に通じるところがあって、恋に落ちて行っても決して溺れずにどこか冷めた目で自分の未来をしっかり見据えているところが◎「最後の恋」は多分今のコレではないかも知れないし、「これ以上の恋」もこれからまだまだあるかも知れない。それは、心のどっかでこの「今の恋」に終わりがあることを気づいているし、恋に「いい終わり方」なんて無いことも解ってる、場数を踏んだ(過去にグイグイ言わせたことが何度もある)イイ女ならではの哀しい叫び。その照れ隠し&淋しがりや隠しが、怪獣の名前のような(ぎゃんちゃん談)このタイトルにあふれてる。ぎゃんちゃんの「恋の歌」大傑作。2018.03.30 01:33
三年目川江美奈子の楽曲で迷わず一番好きな曲。何が好きと言って、とにかく内容が隅から隅まで実に「三年目」。ただぎゃんちゃんは女性で僕は男性。いつも聴くたびに言葉のひとつひとつを僕の中で勝手に書き換えて、どうしようもない男の「三年目」としてつぶやいては、あのころの僕の三年目にいまだに心が揺れるんだから仕方がない。そうしているうちに男と女の矛盾や葛藤、苦しみや楽しみ、不思議な部分や愛すべき部分、かけがえのないものであったり、どうしようもなく捨て去りたいものであったり。僕の恋愛観を凝縮されたかのような世界を、こんなに見事に唄いあげられちゃうともう降参です。きっとまた誰かのことを、身を焦がし愛するでしょう。この心縛ってた哀しみをほどいても叱らないよね。そりゃ叱ることは出来ないけどね、でもね・・・って考えるのが僕。2018.03.27 15:19
春待月夜「LIFE375」のいきなりトップにこの曲。伝説になったライブ(♪)でお披露目されたピアノ弾き語りがあまりにも強烈に残っていたので、このアレンジには当初大きな違和感を持っていて、アルバム全体を聴き終えても暫くの間は自分で自分に納得できない時期がつづき……、ただその後のライブでは前半やトップに持ってきたり、わざわざまた違うアレンジの題材にしたりと、ぎゃんちゃん自身が自分との繋がりを意図的に軽減してゆくなかで、楽曲自体も質の高い軽さを持つようになっていった曲。そしてその事が歌詞にも2次的3次的広がりを持たせるようになっていき、アルバム全体の分厚い表紙のような、楽曲集装丁のテーマにもなって強さを蓄えていき、あのライブを体験したファンには想い出の中の恋人のような甘酸っぱい味を焼き付けつつ、今を生きることの光を感じさせる親友のような愛情を感じます。2018.03.27 01:59